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 投稿日時: 2023-06-22 (940 ヒット)

 

鴎外自筆写本『膳部之事』 大正3(1914)年 東京大学総合図書館蔵

 
写本『膳部之事』は武士の供応食として始まった本膳料理と食事作法「飯くひやう」について記されています。
本展チラシで目を惹く素朴なお椀や鯛の絵はこの『膳部之事』の挿図で、実は全て鴎外(当時52歳)が描きました。
鴎外の完全な創作ではなく、鴎外が「礼式の書」と称したもの(『鴎外日記』大正3年12月31日)を描き写したことが分かっていますが、底本の特定には至っていません。
 
挿図は本膳料理の部分のみに描かれています。
下書きがあるようには見えません。
筆で慎重に輪郭を描き、濃淡をつけながら丁寧に彩色を施していることが分かります。
底本があるとは言え、骨の折れる作業だったと思いますが、絵を描く様子を傍で見ていた長女・茉莉は鴎外が「遊んでいる」ようだと感じたそうです(茉莉『父と私』)。
鴎外が『膳部之事』を描き写した理由も分かっていませんが、この写本からは鴎外が日本の食文化や食事作法に強い関心を示し、楽しみながら描いたことが伝わってきます。
 
本展展覧会場では、『膳部之事』の実物を展示している他、全丁を一覧した展示パネル、『膳部之事』と類似性がみられる資料をタッチパネルでご覧いただけます。
 
特別展「鴎外の食」は7月9日(日)までの開催です。
 


 投稿日時: 2023-06-10 (800 ヒット)

記念館の公式YouTubeチャンネルに現在開催中の特別展「鴎外の食」の展示解説動画をアップしました!

これからご来館を検討されている方も当館までお越しいただくことが難しい方も、「鴎外の食」を少しだけ味見してみませんか?
ご視聴の上、チャンネル登録をお願いします!
 


 投稿日時: 2023-05-27 (1024 ヒット)

御陪食メニューカード 秋山徳蔵旧蔵 味の素食の文化センター蔵

 

鴎外の日記には外食の記録が数多く確認できますが、いずれも店名ばかりで何を食したかはほとんど分かっていません。

そんな鴎外も御倍食に参列した際は、献立や席次を日記に書き留めていました。

 

本展では、鴎外が出席した御陪食のうち、明治33年、同42年、大正5年、同10年のメニューカードを、鴎外の日記の記述と並べて展示しています。

御陪食はフランス料理を基調としていますが、現在のどの料理に該当するのか特定は難しく、記された漢字から類推するとどうやら肉料理が多いように見受けられます。

 

メニューカードはいずれも、「天皇の料理番」として知られる秋山徳蔵の旧蔵です。

鴎外と秋山は面識があったかどうか分かりませんが、鴎外は秋山の料理を食していた可能性が高いと考えられています。

 

菊の御紋が美しい御陪食のメニューカードは、現在の私たちにとっても間近に見る機会が少ないものです。

是非会場でじっくりご覧になってください。

 

特別展「鴎外の食」79日(日)まで開催しています。

 


 投稿日時: 2023-05-21 (545 ヒット)

5月22日(月)、23日(火)は全館休館です。

5月24日(水)より通常通り開館いたします。

特別展「鴎外の食」を引き続きお愉しみください。
 


 投稿日時: 2023-04-28 (1326 ヒット)

幸田露伴筆鴎外宛書簡 明治23年頃 【405163】

 
「昨夜ハ大失敬」で始まるこの書簡。
何か仰々しいことが書いてあるようにも見えますが、実は露伴が「しゆとう(注・酒盗)」を鴎外に贈り、その食べ方を伝える内容です。
 
鰹など内臓の塩辛である酒盗は、今もおつまみとして知られています。
現在は瓶詰で販売されることが多いですが、当時は違ったのでしょう。
露伴は鴎外に、酒盗を洗った後にたたいて、酒か酢を少しかけることを勧めています。
 
この時、露伴23歳、鴎外25歳頃。しばしば痛飲するほどの仲でした。
明治20年代の文学界を牽引した二人の微笑ましい交流が垣間見えます。
 
特別展「鴎外の食」は7月9日(日)まで開催しています。


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