お知らせ
現在開催中のコレクション展「文学とビール―鴎外と味わう麦酒の話」では、ビールが印象的に描かれた作品を選び、日本におけるビール普及の歴史を紹介するパネルと共に展覧しています。
明治23年に発表された、鴎外の小説『うたかたの記』では、ミュンヘンのカフェで美術学生がビールを楽しんでいる様子が描かれました。
作中には「麦酒の泡だてるを、ゆり越すばかり盛りたる例の大杯を(中略)握りもち、『新しき樽よりとおもひて、遅うなりぬ。許したまへ』」とことわってビールを給仕する描写が見られます。本作発表時、日本ではほとんど瓶ビールしか飲まれていなかったため、樽からジョッキに注がれたビールが運ばれている風景は、新鮮なものだったことでしょう。ドイツ滞在時にビールに親しんだ鴎外の経験が生かされています。
その他にも、夏目漱石や高村光太郎が描いた「ビール」を紹介していますので、是非展示会場でご覧ください。本展は10月6日(日)まで開催中です(休館日9月24日(火))。
開催中のコレクション展「文学とビール―鴎外と味わう麦酒の話」について、文京区内大学の学生有志が展示解説を行います。学芸員とはまた違った切り口の解説を聞きながら、コレクション展をお楽しみください。
開催日時:2019年9月1日(日)11時~/14時~(各回30分程度)
*申込不要(高校生以上の方は、展示観覧券が必要です)
本日、8月27日(火)は第4火曜日のため全館休館です。
8月28日(水)より通常通り開館いたします。
開催中の「文学とビール ―鴎外と味わう麦酒の話」を引き続きお楽しみください。
ビールジョッキ
明治19年1月20日、誕生祝いに送られたビールジョッキです。
ドイツ留学中の明治19年1月19日、当時お世話になっていた軍医監ヴィルヘルム・ロートより明日誕生会を開くことを知らされます。翌20日にロートの自宅で開かれた誕生会には20名あまりが集まり、その席で贈られたのがこのジョッキでした。蓋には日付と鴎外そしてロートの名が刻まれています。
いつもは常設部分にレプリカが列品されているこのジョッキですが、コレクション展「文学とビール」会期中は、鴎外がドイツから持ち帰ったオリジナルを展示しています。いつもは見えない部分も眺められる機会です、是非展示会場でご覧ください。
コレクション展「文学とビール 鴎外と味わう麦酒の話」は10月6日(日)まで開催中です(休館日8月27日(火)、9月24日(火))。
*9月1日(日)には、文京区内大学の学生有志による展示解説を行います(11時~、14時~ 各回30分程度)。
